(01- 記憶の法則)
年をとるとよく物忘れがひどい、この年で今から勉強するにも記憶力が、
などと思ってしまう方も多いのでは。
でもそんな事はないようです。
消極的になってしまうのは、単に記憶についての知識がなさすぎるとこの本にあります。
こんな例があります。
・何年も何十年も会っていない人の夢を鮮明に見ることがあるのは、
それらが記憶されている証拠
・脳細胞の刺激により40年前にさかのぼる記憶を思い出し始めた実験例がある、
等その他にもいくつかあるようです。
また、昔の人が記憶をどのように考えていたかという話もあります。
昔のギリシア人の考え方は、
記憶には「想像」と「連想」が非常に大切という考え方です。
ノーベル賞をとったシュペリィという方の話もあり、
言語は左脳で想像などは右脳。
想像力を働かせれば、脳全体を使って効率的な記憶ができる、という話です。
経験から、記憶したいものをすでにある記憶と結び付けたり、
イメージと結び付けるのは効果があるので、
想像や連想のキーワードは記憶に使えるのではないでしょうか。
◆具体的な記憶方法の紹介があります。
覚えたい事を既に知っている事とリンクさせながら覚えるリンク法です。
時間がかり少し面倒ですが、どうしても覚えられない英単語などに使っています。
まずは短期記憶、そして長期記憶、そして会話の中で出てきても分かるようになる、
というイメージで学習を進めています。
この本にも単語の覚え方が書いてあり、まとめてみると、
・語幹を意識して基本となる単語を身につける
・接頭語、接尾語、を意識し効率のよい記憶を行う
・反復復習で記憶をしていく
・想像力を働かせ、手がかりとなるすでに知っている情報と関連づけて覚えていく
・頻出する基本単語から習得していく
記憶方法に関してはいろいろな方法で事細かく書いてある本なのですが、
言語の覚え方となるとこんな感じです。
◆勉強するときは適度な休憩が記憶に良いようです。
いろいろな研究がされていて、この本でも分かりやすく説明されています。
例えば勉強を開始してから、初めと終わりに勉強したことは、
他の事よりもよく覚えていたりします。
中だるみの影響があるのだと思います。
休憩をとってから勉強を始めると頭がすっきりして、
また学習が効率的になるような気がします。
記憶もこれと同じで、休憩が記憶量に影響するようです。
(P225、記憶の法則/トニー・ブザン著より引用)
濃いグレーは、休憩をとらず勉強を続けた場合の記憶の効率を表します。
薄いグレーは、こまめに休憩を取った場合の、記憶の効率を表します。
中間のグレーは、休憩を最後に取った場合の記憶の効率を表します。
こまめに休憩をとったほうが、中だるみを抑えることができて記憶にも効果的です。
私の場合は、6時間位勉強できる時間があるなという場合、
45分勉強して15分休憩を1セット、
3時間くらいしか勉強時間がないな、というときは、
55分勉強して5分休憩を1セット、などを目安にしています。
まだまだ集中していけると思うときでも、
定期的に休憩をして又始めるというサイクルで、
気がついたら7時間以上勉強がはかどった経験もあるので、
こまめな休憩はおすすめです。
休憩時間は数分から10分位までが良いようです。
学校の授業間の休憩サイクルは、良く考えられています。
◆記憶を維持するための復習の話があります。
『一時間勉強したあとならば、最初の復習は十分後、
二度目の復習は二四時間後に行えばよい。(省略)
つまり、一日後、一週間後、一ヵ月後、
それから半年後のようにすればよかろう。』
(P230、記憶の法則/トニー・ブザン著 より引用)
効果的な復習のタイミングは、
学習直後におさらいをし、1日後、1週間後、
3~4週間後、その後は忘れる前に復習。
たしかに、勉強を一通り終えておさらいをしてから勉強をやめる、
ような事はあまりした事がないので、実践すれば勉強の効率が上がるのでは。
-コラム-
『夢』を覚えておく方法が書かれています。
寝ている間に夢は誰でも必ず見ていて、
朝起きたときに、覚えているか、いないか、だけのようです。
覚えていたいなら、寝る前に、『夢を覚えていられますように』
と、何度も呪文をとなえるように自分に言い聞かせると、
数週間後には見た夢を覚えていられるようになるそうです。