(01- 第二言語習得研究に基づく最新の英語教育)
◆英語ができるようになる為には、
間違えながら覚えていくことは避けられない事です。
ただ、間違いを恐れずにひたすら頑張ればよい、ではありません。
『誤りの化石化』状態に陥る事があり、
正しい英語になかなか移行しなくなってしまう事がある、
という事は知っておいたほうがよいです。
いつまでも間違いを気にしないままでは駄目です。
気にしない人は、同じような間違いを何度もしてしまい、
そこから抜け出すのに大変だった経験もあるのでは?
◆本を読み進めるとこのようにあります。
英語(第二言語)の習得は、「学習することで影響をうけるものではない。」
学習してもうまくならないと言われている感じです。
しかし、この意見には反対意見もあり、
学習と習得の間の明確な線引きができていなかったり、
子供が無意識(のよう)に言語を習得しているときは、
かなり繰り返して(学習するように)覚えているという意見等もあります。
「第一言語習得でも第二言語習得でも、大体2歳から10歳台
の子供が学習によらずして自然に習得する能力があるが、
このことは大人では生理的に脳が変化し、子供のようにはい
かなくなる(Lenneberg 1967)といわれる。」
(P14、第二言語習得研究に基づく最新の英語教育より引用)
ここから考えても子供と大人では、
英語をマスターする為の方法は変えたほうが良さそうです。
これは、脳の話や臨界期の話ともつながります。
大人と子供では英語(言語)の習得方法に違いがあり、それぞれ特徴もあります。
子供は学習を始めたときの効率は悪いが、その後は上達スピードが増していく。
そしてとても高いレベルまで到達できる。
大人は学習初期から効率よく学習できるが、
到達レベルは子供より低くなり、上達速度も遅くなってきます。
大人は理論的に考える事が得意なので、
ルール(文法など)を理解できればそれを利用して、
かろうじてコミュニケーションできるまでにすぐに到達できます。
しかし、その後の上達はなかなかうまくいかず、
学習初期はできそうと思ったのに、その後どれだけ勉強してもあまり上達しない、
と思ってしまうのだと思います。
また、英語の話し言葉で使われる語彙数は少なく、
聞くときに知っていなければいけない単語数はかなり少なくて済みます。
書き言葉より、話し言葉のボキャブラリーはかなり少ないので、
英語って意外とできそうかも?と思ってしまいます。
しかし実際は、通訳の先生がおっしゃっていましたが、
「英語はネチネチ勉強するしかない。」というのが現実です。
◆文法ルールをマスターしていく順序を研究した結果があります。
幼児やいろいろな国の子供、母国語が違っていても似た結果が出るようです。
1番目、-ing形、複数形、be,become,等の動詞
2番目、助動詞(can,must,…)、冠詞(a,the,…)
3番目、不規則動詞の過去形
4番目、規則動詞の過去形、三単現s、所有格
(Krashen 1977 参考)
ここでは限られた範囲の文法事項ですが、
別の章で詳しく説明があるようです。
過去形の不規則動詞の習得が早いのはなぜ?
不規則動詞はある程度限られていて、
決まった形を覚えてしまえば、迷う必要がないからでしょうか?
『習得順序=理想の学習順序ではない』
のような事も書いてあります。
–コラム–
言語習得の研究者が書く本では、
研究の分野は、文法・発音・語彙、といろいろな分野があります。
「語彙の研究」と「どのように第二言語を習得していくのか」
といった研究が特に多いようです。
語彙は英文理解にとても大切なので研究が多いのも納得です。