(04- 第二言語習得研究に基づく最新の英語教育)
◆英会話学校等では、いろいろな方法でスピーキング練習をする事があります。
①自分のもっている絵の内容を相手に伝える課題
②何枚かの絵を相手に順番に並べてもらう課題
③テーマについてのディスカッション
どれもやったことはがありますが、①が難しく感じます。
この本でもやはり①が難しいとあります。
それは、伝えなければいけない情報の表現方法・文法等が、
その絵により限定されるためです。
言い換えをして伝える、等の表現の逃げ道も少なくなります。
②や③は、①に比べると、
知っている表現だけで話せるケースが多くなり簡単です。
例えば、得意だからアーティクルディスカッションの授業ばかり受ける、
ではなく、①~③の課題をバランスよくこなす事が大切です。
◆リスニングは全てを完全に聞き取れるものではなく、
発話される子音・母音レベルまでいくと、完全に聞き取る事は無理です。
そこで聞き手は大まかに単語を聞き分け、理解につなげる方法をとっています。
リスニングでは文法知識を必要とせずに意味をつかめるケースが存在する、
ともあります。
「I’m very happy to be here today.」この中で、「I… … happy … … here ….」
だけが聞きとれたとしても、
「私はここ、うれしいですよ」⇒「今日、ここにこれてとっても光栄です。」
という推測で理解できてしまう事もあります。
主語、動詞、が分かり、聞かれてるのか?感想を言ってるのか?
などアバウトにでも分かれば、意味が分かるケースは少なくありません。
比較的簡単に英語が聞き取れるケースがあり、
英語は、文法の学習や努力をしなくても意外とできる?
と勘違いをしてしまう人が、たくさんたくさん出てきてしまうのでしょうか。
◆英語の教え方は、その時代時代で考え方が違ったり、
教育現場や英語学習についてのブーム等にもそれらが影響しているようです。
例えば、
・語彙や文法に力を入れて教える
・会話重視で教える
・英語だけで授業をする
・日本語を使いながら教える、など。
スピーキングついてはいろいろとありますが、ここでは重要なこととして、
『英語は「学習」し「獲得」するもの、
それをつなぐために「ドリル練習」をする』とあります。
頻出度の高い英単語を学習、文法の大まかなルールを学習、
それらを活かした半強制スピーキング練習で反復(ドリル練習)し、
学んだことを実際のスピーキングでつかえる土台をつくる。
それから実践でコミュニケーションをする。
いろいろと本を読んでみて、
今のところ、これがスピーキングスキル上達への理想の方法です。
Ⅰ- 英語スピーキングの為の効果的な基礎学習
Ⅱ- 反復半矯正発話練習
Ⅲ- 実践コミュニケーション
が英語を話せるようになる為の効果的な学習方法です。
具体的な課題は上記の①~③が参考になります。
これらを組み合わせて練習し、スピーキングの上達を図る事ができます。
◆Larson(1983)の引用があります。
『スピーキングとリスニングの相関は .73と比較的高いが、
リスニングで80点以上とった者のうち、スピーキングでも
80点以上とれたのは半分しかいなかった。』
(P256、第二言語習得研究に基づく最新の英語教育、より引用)
例えば、英語を《話す》事がすごくレベルが高いとすると、
Ⅰ、英語スピーキングの為の効果的な基礎学習
Ⅱ、反復半矯正発話練習
Ⅲ、実践コミュニケーション
ができているはずなので、Ⅰ、Ⅱ、が英語を《読む》《聞く》《書く》、
のスキルにも好影響を与えると考えてもよいでしょう。