(01- 英語リーディングの科学「読めたつもりの謎を解く」)
◆英語が読めるようになるにはどうすればいい?
英語が読めるってどういうこと?
訳すように読んでばかりでいい?
英文がうまく読めるようになる為には、
教材の選び方や勉強の進め方等、気をつけたい事がたくさんあります。
中でも単語を知っていることはとても重要です。
「英単語を何語くらい知っているか」
「1つの単語をどのくらいよく知ればよいか」
「どのくらい速く反応でき理解できているか」
「見て分かればいい単語、使えるようになったほうがよい単語を見分ける」
これらに気をつけながら学習を進めると、効率的な語彙習得ができます。
◆どの位の単語数を知っていればよいのでしょう?
いろいろなデータがあるので、そのデータを元に目標設定ができます。
単語の数え方は、延べ語数/異なり語数/見出し語語数/ワードファミリー
といろいろありますが、
辞書の見出し語(辞書の太字)を1語と数える『見出し語』で考えます。
次のようなデータがあります。
————————————————–
見出し語数 カバー率
40,000 98%
10,000 95%
5,000 86%
3,400 76%
1,700 71%
———–≪Grabe,2009より≫—-
カバー率は、文章中にある単語をどの位知っているかを表した%です
例えば、5,000語の英単語を知っていれば、
文章に出てくる単語の内86%の単語を知っているという事です。
語彙の難易度を調整していない、自然な英文を用いて調べた結果です。
たった1,700語を知っているだけで、
英文の7割の単語が分かってしまう事もここから分かります。
これを利用して、「中学単語だけであなたも・・・」って本が書けそう??
もちろん、1,700語知っていれば十分というわけではありません。
◆英語は英語のまま読むように!!と言われた事はないでしょうか。
最初からできるはずはありません。
いきなり英語を英語のまま読もうとするのではなく、
順を追って勉強をする為にも和訳は必要です。
和訳しながら勉強する時は、例えば、
写真やイラスト等がある英文から初めてみる事をお勧めします。
ヒントになり英文が理解しやすくなります。
「再話」も英語上達のよいトレーニングになります。
自分が読んだ英語の内容を後で誰かに伝える事(再話)は、
英文を理解する為のトレーニングとして効果的で
母語(日本語)でも日常よくする事です。
情報を伝える力を鍛える事ができ、再話は読解プロセスとも似ているので、
英文理解にとてもよいトレーニングの1つになります。
『再話するつもりでのリーディング』で効果的に学習できます。
声に出して英文を読む音読も効果的なトレーニングです。
音読で『音韻符号化能力が高められる』からです。
それには理論的で大切な理由があります。