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英文だと和文でできる柔軟な思考ができない?

by homunculusman

(05- 英語リーディングの科学「読めたつもりの謎を解く」)

日本語でも英語でも文章を読むときは、自分の経験や知識をもとに、
無意識の内に情報を推測し、理解を深めようとしています。

例えば、
「A君はランドセルをしょって、首から鍵をさげて、
いつもの時間に家を出ました。」
という文章を読むと、A君は小学生かな?
親が遅くまで働いているのかな?などの想像をします。
このような情報の推測は、英文を読む時にはうまく出来ないことがあります。
『リーディングが不得手な読み手は、最初に描いた
 状況を変化させることが出来ず、多少おかしいと
 感じながらも、その状況を最後まで押し通して英
 文にあてはめてしまうことが多いようです。』
(英語リーディングの科学/卯城祐二/P82より引用)

英文を読むときは、日本語を読むときのように、
自分の考えを柔軟に対応させる事ができず、
間違った理解で読み進めてしまいます。

もちろんこの状況のまま読み終えても、正しい理解はできません。
英文を読む時、1文づつはなんとなく書いてある事が分かるけど、
全体の言いたい事がよく分からない・・。
なんて状況に陥るのはこの為でしょう。

◆学習者のレベルに関係なく、
「訳さないで英語は英語のまま理解しなさい!」と言う人がいます。
「そうしたいけど出来ない!」というのが正直なところです。
これは英語学習初期では出来なくて当然です。

頭の中には覚えた言葉を貯めておくメモリがあり、
聞いたり読んだりした言葉は、
そのメモリを通して情報を処理し理解します。
しかし、そのメモリに十分な情報量がないと理解できません。
この段階では、一旦英語を日本語に変換し、
何を言いたいのかを理解しようとします。和訳に似た作業です。
英語の情報量が十分になり、英語に慣れ、情報処理能力が上がると、
和訳を意識しなくても英語が分かるようになります。

『学習を継続し、英語によるインプットに多くふれることによって、
第二言語と概念との直接的な結びつきが構築されると考えられます
が、意図的にどちらかのルートを選択したり抑制したりすることの
できるものではありません。』
(英語リーディングの科学/卯城祐二/P94より引用)

特に英語学習の初期段階では、英語を聞いたり読んだりしたときは、
まずは訳して理解し、徐々に訳さなくても理解できるようになるのが普通です。
「訳さないで、英語は英語のまま理解しなさい!」ではなく、
「日本語訳を意識しなくても、英語が理解できるようになりましょう!」
というアドバイスが正解です。
和訳にもしっかり取り組み、コツコツと勉強し、
日本語を意識しなくても読めるようになる事が目標です。

◆英会話教室などで、リーディングをした後に、
「何が書いてあったかをまとめて発表してみてください。」
と言われた事はないでしょうか?これが再話です。
自分の場合はその質問をされると、
よく頭が真っ白になった事を覚えています。思考が止まる感じです。

再話は日常よくしている事で、昨日の出来事を話したり、
読んだ本の内容を伝えたり、仕事の内容を上司に伝えたり。
しかし求められるスキルは高く、
伝えたい事の順序の整理、分析、要約、語彙力、
どれかが欠けてもなかなかできません。
上達するにはこれもトレーニングです。

再話の課題が難しいと感じる時は、教材のレベルを下げたり、
語彙レベルが調整された英文を使ったりと、
自分に合ったレベルで行うことが大切です。
予習をし準備しておく事もとても有効です。
例えば英会話学校では、先生との会話だけで過ごすより、
読んだ記事の紹介、プレゼン、と自ら進んで再話活動をすることで、
効果的なトレーニングになります。

◆英文リーディングをするときは、
WPM(words per minute)を計りながらの勉強をお勧めします。
『これは1分間に英単語を何語読めたか』を数値にしたものです。
(WPM=単語数÷かかった時間×60sec)

1テーマごとに単語数が書かれてある教材を選び、
読むのにかかった時間を計ります。
WPMを記録していけば上達度が分かり、モチベーション維持にも繋がります。
もちろん、意味をしっかりと理解しながら読める速度を
正確に計測し記録していきます。

より正確に上達度を測る方法として、
文章の理解度も測るために『WPM×(正答数÷問題数)』…①
の数値を用いることもできます。
しかし、①に適した教材をなかなか見たことがないので、
まずは英文の意味理解が十分に出来ている状態のWPMを記録しながら、
学習を継続することをお勧めします。

 

–コラム–
先生が英語のテスト問題を作る時は、生徒をまどわす為にこんな事を考えている?
・よく知られているフレーズを選択肢に使い間違えさせる
・真実や一般常識としては合っているけど答えとしては違う選択肢をつくる
・文中のキーワードを選択肢に使った間違った選択肢を作る
特に2番目、3番目はトイックテストでもよくあります。
どんな問題でも意味をしっかり理解できれば、気にする必要はないのですが、
回答に迷った時の参考になるかも?

カテゴリー: リーディングプロセス タグ: 推測, 教材, WPM, 再話, 和訳

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