(05- 第二言語習得研究に基づく最新の英語教育)
◆リーディングでの英文理解に関する要素として、
1、英文が伝えようとしている事の背景知識
2、英文への興味
3、英文中に出てくる分からない事への対応
4、語彙
5、構文
6、文法
等があります。
英文リーディングで分からない事が出てくると、
他の分かる情報や要素に頼って理解しようとし、
特にリーディング初期の頃は文脈に頼り、
自分の推測で判断してしまうことがあります。
リーディング上達のためには、
その理解に至るプロセスに焦点を当てたほうがよいとあります。
英文の理解を間違えた時は、どうして間違えたのかを追求し、
何が原因で正しく理解ができなかったかを突き止め、それを改善していく
しかなさそうです。
◆英語ライティングの上達の為には、
文構造、文法、語彙、などなどいろいろとありますが、
Smith(1978,1982)からの引用では、
『人は読むことによって読むことを学び、書くことによって書くことを学ぶ』
(P291、第二言語習得研究に基づく最新の英語教育、より引用)
とあり、これにまとめられている気がします。
ライティングの間違い訂正による上達はあるか?
という問題についても挙げられています。
ここでは、ほとんどのリサーチ結果では、
学習者が書いたライティングへの指導者による間違い訂正は、
多くの場合学習者の上達に結びつかない、とあります。
「書くことで書くことを学ぶ」という主張がある一方、
「書いた事について、間違いを指摘されてもそれば上達に結びつかない」
という主張もあります。
ライティングの間違い訂正を、いかせるのもいかせないのも、
実際はその人次第です。上達に結びつかないのではなく、
間違いを改善しようとするモチベーションが低い人が多い、
とした方がよいのではないでしょうか。
レッスンを受ける時は、
自分の好きなテーマの記事を読み、それを自分の言葉でまとめ、
英文ライティングし、授業へもっていきます。
授業中にネイティブの先生に添削してもらい、
先生とそのライティングについて話しながら、修正、改善、検討をしていました。
添削された文章は読み直したり、使える表現は書き留めておくなどしたので、
私の場合はライティング添削は十分に役に立ちました。
英文のライティング練習に役立ちそうな手順があります。
指導法への助言として書いてありますが、学習手順としても使えそうです。
Ⅰ、文法に重点を置いて短文ライティング
Ⅱ、内容に重点を置いてライティング
Ⅲ、パラグラフの役割を学ぶ
Ⅳ、Ⅰ~Ⅲを意識してライティング
Ⅴ、状況に応じたライティングを意識する
Ⅵ、修正、読み直しを繰り返して改善
間違い訂正には効果があまりないという意見もありますが、
Ⅵにあるように、間違いを認識して改善させる学習法はやはり欠かせません。
また、英文のライティング練習をする時は、その方法もとても大切です。
『翻訳した英作文のほうが質的に高く、特に英語力の低い学生には、
日本語使用の効果が大きかった。Kobayasi and Rinnert(1992)』
(P292、第二言語習得研究に基づく最新の英語教育、より引用)
レベルが十分ではない間は、母語での文章力でしっかりと文章を考え、
それから英文にしていく方法は、間違っていないしその方が良いようです。
また、文章を書く事は英語でも日本語でも同じで、
・何が言いたいのか
・どのように伝えるのか
・ここで段落を分けてみよう
・読みなおして修正しよう
などを考えて書くことが基本です。
「日本語で考えて、訳した英文だね」
と言われるかもしれませんが、そうなってから次のレベルを目指しましょう。