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シャドーイングで読む聞く上達

by homunculusman

(02- シャドーイングと音読の科学)

◆英語のリスニングがうまくいかない理由はいろいろあります。
確認するために、まずリスニングをする時の状況を細かく分けて考えます。
1、聞こえてきた音を(単語として)認識する
2、すでに知っている単語の意味と照らし合わせる
3、(文法から)例えば何か主語か、などを決める
4、多義語であればどの意味が適切か決める
5、最終的に意味の通る文として調整、理解する
6、一般常識、自分の知識などと矛盾がないか確認
等に分けられます。

これらのどこかでつまづくとリスニングはうまくいきません。
ほとんど無意識の内にこれだけの事をしているので、
どこでつまずいているかが分かりにくいのかもしれません。
1~6をチェックしていけば、自分はどこでつまづいているのかを考えやすくなります。

基本的に、シャドーイングで鍛えられるのは、「1」の部分です。
前に意味理解をしながらのシャドーイングがおすすめと書きましたが、
シャドーイングの一番の目的はあくまでも「1」の処理速度を上げる事のようです。
これだけだと、シャドーイングは効率が悪い?
と思うかもしれませんがそうではないようです。

◆リスニングの流れは、音声発信⇒音声知覚⇒意味理解、です。
ネイティブであればこの情報処理は高速で行われ、
意識しなくても自動的に音の認識をしています。
私たち日本人が日本語を認識する時もそうです。

ノンネイティブの人が英語を聞き取ろうとするときは、
聞くときに注意力を働かせ正確に聞き取ろうとします。
しかし、ここで問題が出てきます。
人の注意力には決まった容量があり、音を認識することに注意力を使いすぎると、
意味処理にまわせる注意力が減ってしまいます。

例えばトイックテストのリスニングで、
聞きながら読みながら問題を解くのは難しいけど、
先に問題を読んでしまって聞くことに集中すれば問題が解ける、
というのも、この限られた注意資源の為でしょう。
シャドーイングは、「音声知覚」を高速にする為のトレーニングなので、
これをすれば意味理解に多くの注意を向けることができ、理解が進むようになります。

少し話が変わりますが、こんな内容もあります。
『一般には、幼児による母語(第一言語)の獲得は、
無意識的処理にもとづく学習の典型例です。(省略)
思春期を過ぎた頃(例えば中学生)からはじめる
第二言語(外国語)の学習は、意識的処理にもと
づく学習の典型例です。』
(P63、シャドーイングと音読の科学/門田修平著より引用)

あなたがすでに中学生以上で、
日本で英語を上達させたいと思っているのであれば、
ネイティブの子供が英語をマスターする方法と同じように英語に取り組むのは、
考え直したほうがよいでしょう。

◆シャドーイングやリーディングをするとき、
学習教材を選ぶ基準にできるものがあります。
「リーダビリティ」を確認する方法です。
文章の読みやすさを数値で測定できます。

この本ではマイクロソフトワードの
「文章の読みやすさを評価する」という機能が紹介されていますが、
ウェブサイトもあります。

READABILITY TEST TOOL

Readability-Score.com

シャドーイングやリーディングをする前に、
その教材のリーダビリティを確認してみるのも参考になります。

◆リスニングでもリーディングでも、
いくつかの情報処理プロセスを経て意味を理解します。
情報処理プロセスを分けて訓練し、
高速化することができれば上達が期待できます。

リスニングを上達させるにはシャドーイングが効果的です。
これは、音を認識するプロセスを高速化(自動化)し
意味理解に最大限の注意力を働かせる為です。

リーディングでも同じ事がいえます。
リーディングのプロセスは、目でテキストを見て、
ほぼ全ての単語を頭の中で音にし(音声化)、意味を理解します。
この音声化のプロセスを音読トレーニングで高速化(自動化)できれば、
意味理解に最大限の注意力を働かせる事ができます。

でも現実的には、初めて読む英文には知らない単語があるのが普通です。
知らなければ音声化もできないし、読めたとしても
意味理解には進めないのが普通です。

では、同じ文章を何度もリーディング?
同じ文章を精読してから、シャドーイング?
そもそも同じ文章で効果がある?
どんな方法が効果的なのでしょう。

◆『Baddeleyは、2秒以内に復唱できる単語や文字の数が、
音声的に一時記憶できるスパンであると述べています。』
(P122、シャドーイングと音読の科学/門田修平著より引用)とあります。
これは「英語リーディングの科学」にもでてきます。

経験からも、長い一文でも数秒の間にスラスラと読めたときは、意味がスーっと入ってきます。
何とか分かるレベルでつまりながら長い一文を読んだときは、ここからここが主部で・・などと、
考えながら意味を読み取ろうとする事があります。
2秒以内で読める文のかたまりであれば理解がしやすく、
2秒をこえるような遅い読み方では理解も進みにくくなります。
一気に早く読める事が意味理解に関係しているようです。

自分の場合は同じ文章を使い、
まず黙読、精読、音(発音)を理解する音読、シャドーイング、意味理解をともなうシャドーイング、
の順序でトレーニングをしてきました。
そしてトレーニングがすすむと、早く読めるようにもなり
英語を読む力が上がった事を実感しています。

カテゴリー: リーディング, リスニング タグ: 教材, シャドーイング

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