(01- 記憶力を強くする)
◆英語が出来るようになるには単語をどれだけ知っているかはとても重要です。
どうやって覚えていけばよいのでしょう?
暗記法等いろいろありますが、
脳の特徴から効果的な記憶方法がないか調べてみます。
今回は池谷裕二さんの本で、ブルーバックスシリーズの本です。
ニューロンが1,000億個・・、シナプスが・・といろいろあります。
・大人でも勉強をすれば記憶力は高まる。
・お酒は神経細胞によくない。
などが気になるところですが、
とりあえず大人でも、学習すれば記憶力は高まることが分かって安心です。
「一度に記憶できる個数が限られているのが短期記憶の
大きな特徴です。その数はおよそ七個です。」
(記憶力を強くする/池谷裕二著/P57 より引用)
短期記憶なので、長期記憶としてマスターしなければいけない
英単語の学習方法とは関係ない?しかしそうではなさそうです。
◆覚えてもすぐに忘れてしまう短期記憶より、
長い間覚えていられる長期記憶で英単語が記憶できれば、
知っている単語は多くなります。
長期記憶には種類があり、「①エピソード記憶」と「②意味記憶」があります。
①は、例えば、縁側で小さな頃にお母さんから教わった星座を、
今でもその情景とともに思い出すことが出来て星座を覚えているとします。
このような記憶のことで、エピソードとして記憶しているという事です。
トカゲは爬虫類?両生類?と聞かれて、爬虫類と覚えたから爬虫類と答える。
これは意味記憶②になります。純粋に暗記した記憶です。
○○暗記法とかいうのも、
エピソード記憶の方法を活かしたものが多いのかもしれません。
不可能ではないかもしれませんが、
数千語の英単語をすべてエピソード記憶で覚えるのは効率が良いとは思えないので、
うまく意味記憶でボキャビルをすすめる方法を探ってみます。
◆エピソード記憶と意味記憶について。
『10歳くらいまでは、意味記憶がよく発達していて、
その歳を過ぎるとエピソード記憶が優勢になってきます。』
(P73、記憶力を強くする/池谷裕二著 より引用)
大人にとってはエピソード記憶を利用して記憶した方が良いのでしょうか?
子供の頃は記憶力がよかったのに、大人になってからは記憶力が劣った、、
というのもこれが原因のようです。
無理に意味記憶を進めるより、いかにエピソード記憶で記憶をしたほうが良いかを
考えるほうがここでも良いような気がします。
エピソード記憶も意味記憶も、「海馬」という脳の部分が深く関係していて
海馬が重要な情報かどうかを判断して「記憶する」「記憶しない」を判断しています。
この「海馬」にどうやって重要な情報だと判断してもらうかを調べてみます。
◆『事象を連合させると覚えやすくなる』
(P153、記憶力を強くする/池谷裕二著 より引用)
記憶するためにはとても役立ちます。
脳は覚えなきゃいけいないという強い信号がきたとき記憶しようとしますが、
「連合情報:すでに知っている記憶とつなげて覚える事」
はこの信号を強力なものにする手助けにもなります。
例えば、「prescribe」という単語の覚え方。
scribe,inscribe,describe,prescribe を一緒に覚えてしまいます。
語源で覚える方法のようになりますが、
・scribe / 書く(人)
・in(中へ)+scribe で「刻む、登録する」
・de(外へ出す)+scribe で「述べる、説明する」
・pre(前もって)+scribe で「規定する、処方する」
(※正確な語源は異なると思います。)
scribeやdescribeは知っている単語でしたが、
情報を結びつけて覚えるためにもう一度整理して覚えなおし、
知らない単語に結びつなげて覚えます。
英語は読む時も聞くときも一瞬で理解しないといけないので
時間をかけて覚えて、時間をかけて思い出すような方法は
無意味だと思うかもしれませんが、
はじめにこの方法を使うだけで、何度かこれらの単語に出会ううちに、
一瞬で反応できるようになります。
エピソード記憶と意味記憶、うまく使い分ける事で単語の記憶は進みます。